仙台高等裁判所 昭和28年(う)968号 判決
所論は、要するに、被告人山県の本件米殻買い受けの所為は、米殻特別指定集荷業者である父山県健治の代行者ないし従業員として右業務の範囲内でなした行為であるから罪とならないというのである。しかし特別指定集荷業者は一定の要件の下に米殻の生産者からその生産した米殻を買い受けることを許容されているに止り(食糧管理法施行令第五条の五、第六条参照)、特別指定集荷業者といえども右の場合及び農林大臣の定める場合等を除いて営業の目的を以て売り渡し又は使用するため米殻を政府以外の者から買い受けることは法の禁止するところである(同法施行規則第四十条参照、)原判決は被告人山県が右のいずれの除外事由のある場合にも該らないのにかかわらず、営業の目的を以て売り渡すため政府以外の者である被告人小山、同木村から米殻を買い受けた事実を判示しているのであつて、右事実はその挙示の証拠により優にこれを認定しうるところであるから、かりに所論のように特別指定集荷業者である父健治の代行者若しくは従業員としてなした行為であるとするも違反行為であることを免れないされば原判決が右所為に対しその摘示の各法条を適用処断したのは洵に相当であつて、所論のような法律の解釈を誤つた違法は存しない。
〔後略〕